こんにちはgolgoです。
今回はDIYで製作した家具や購入した家具を水平に取り付ける方法について紹介していきたいと思います。
取り付け家具の付け方がわからない方や、これから家具の取り付けに挑戦してみたいと思っている方の手助けになれば幸いです。
■取り付け家具の取り付け手順
1.巾木の長さを決める。
2.取り付け位置に巾木を置き、床の不陸を確認する。
3.パッキン材等を使い、巾木の水平を合わせる。
4.巾木にパッキン材等を使って、床に合わせた墨をする。
5.4でした墨に合わせて巾木を丸ノコでカットする。
もしくわ鉋などで削り合わせる。
6.巾木を取り付け位置に置き、前後の水平を合わせる。
7.巾木を固定する。
8.巾木の上に家具を置き、壁に固定する。
9.ビスキャップ等を付けて作業終了。
■取り付け家具の準備
取り付け家具を製作する際は、家具本体と巾木は分けて製作しておきましょう。
巾木を家具本体に付けてしまうと、巾木をカットする際に本体ごと倒して作業をしなくてはいけなくなるので本体の傷や破損の原因になるので、巾木と家具本体は分けて製作しておきましょう。
〇巾木作りの注意点
●丸ノコを使用して床なりに擦り合わせをする場合。
巾木の製作方法は、仕上がり部分は仕上げ高さ寸法+10㎜で製作し、見えなくなる部分は仕上げ高さ寸法-10㎜にして制作します。
仕上がり部分は10㎜程度延びを見ていた方がカット時に加工しやすいので、+10㎜で製作します。
見えなくなる部分は仕上げ寸法で製作してしまうと、仕上げ部分を擦り合わせしたのにもかかわらず、後ろの床が高くて水平に収める事ができず、見えなくなる部分も削らなくてはならなくなってしまい、余計な手間が増えてしまうので見えない部分は、仕上がり寸法から−10㎜引いて製作しましょう。
この時延びを多くしすぎても加工がやりづらくなるので、延びは5~10㎜程度までにしましょう、延びが多すぎるとカット時に丸ノコに負荷がかかってキックバックしてしまう原因になるのでケガにも繋がってしまいます。
巾木の幅寸法は現場実測されている場合と両側が仕上がりの物は延びを見なくても大丈夫ですが、壁内に入る物や片側は壁にベタ付けになる物は10㎜以上延びを見ておきましょう。
奥行き寸法は延びを見る必要性はないので、家具本体から5〜25㎜程度下がるように製作しましょう。
●鉋を使用して床なりに擦り合わせをする場合。
鉋で削り合わせる場合は、床の1番高い場所で水平を取り,
床なりに合わせて削るので延びは見なくて大丈夫です。
ただし見えなくなる部分の高さは−10㎜で製作するようにしましょう。
〇家具本体の製作時注意点
家具本体は基本的にはお好みで製作していただいて構いません。
ですが、取付けする物を製作するには少し注意が必要な事があるので紹介しておきます。
●家具本体の背板はベニヤでベタ裏にはしない。
家具の背板をベニヤや薄い材料でベタ裏で作ってしまうと、固定時に間違ってビスを打ち込み過ぎてしまって背板を貫通してしまったり、ベニヤがしっかり家具本体に固定できていない場合などに背板だけを壁に残して家具本体は外れてしまうというような事態になるので、なるべく背板をベタ裏にはしないようにしましょう。
背板が薄いベニヤではなく、9㎜以上の厚みの物で、ボンドとビスを使ってしっかりと背板が固定できている物であれば、ベタ裏にしてもしっかりと壁固定する事ができます。
●壁に接地性を良くするために背板ははめ込みにして製作しよう。
取付け家具は取り付け面に接する面積が多くなるほど壁の歪みなどの影響があり、家具本体の接地性が悪くなるので隙間の原因になります。
壁との接地面を少なくするために背板は天板・側板・地板に溝つきを行いはめ込みにしましょう。
はめ込みにすると背板と壁との間に隙間ができてしまいますが、背板に裏桟などを付けて隙間を埋めるようにしましょう。
裏桟は家具本体より1㎜下がるように付けましょう。
■巾木施工方法
〇寸法確認をする
巾木を取付ける時は、まず始めに取付け場所の確認と製作物の寸法確認を行なってください。
始めに確認をしないと、取付けした後に不具合が出てくる可能性があるので、必ず確認をしておきましょう。
〇取付け幅寸法にカットする。
取付け位置と製作物の確認を終えたら、巾木の幅寸法をカットします。
壁内に入ること場合は、壁〜壁までの実測寸法−1㎜でカットすると少し幅寸法に余裕ができて、壁内に納めやすくなります。
ピッタリ寸法でカットすると、巾木を置くときに余裕がなく壁を傷付けてしまう可能性があるので、少しだけ余裕を見てカットしましょう。
2方向仕上がり部分のある巾木は、家具本体から−2〜5㎜程度下がるようにカットしましょう。
この時あまりギリギリを攻めると巾木が本体から出てしまう可能性があるので、最低限2〜5㎜程度は下げるようにしましょう。
〇巾木仕上がり部分の水平を合わせる。
次は巾木の水平を合わせていきます。
取付け位置に巾木を置き、レーザー墨出し器や水平器を使って水平を見ましょう。
水平が悪い場合は、床の1番高い所を基準にし、パッキン材などを巾木の下に挟んで水平を合わせます。
〇巾木に床なりの墨をする。
水平を合わせたら巾木を床なりにカットするための墨をします。
巾木の延びを見た分(10㎜程度)のパッキン材を用意し、パッキン材を定規にして、床にパッキン材をスライドさせながら鉛筆やボールペンで墨をします。
こうする事で床の不陸に合わせた墨をする事ができます。
巾木の色が黒等濃い色の場合は、そのまま墨付けすると墨がわかりずらくなるので、墨付け部分にマスキングテープを貼ってから墨をしましょう。
〇巾木を床なりに擦り合わせをする。
●丸ノコを使用する場合。
私は普段仕事で丸ノコを使用して巾木を擦り合わせするのですが、少々危険な作業法ですので、説明前に注意事項を説明をさせてください。
・丸ノコの使用に慣れていない方はケガをしてしまう可能性が高いのでやらないでください。
・無理をして作業しないでください。
・キックバックの前兆(材が締まり丸ノコに負荷がかかる感覚)があった場合、しっかり丸ノコを押さえ直ちに丸ノコの回転を止める。
・安定していない環境では加工しない。(材が不安定だと、キックバックが起こる可能性が高まります。)
・回転中の刃に絶対触れない。(当然と思いがちですが、一番大事な事です。)
・この作業をやる際は、自己責任で行って下さい。
上記の事は必ず守って作業してください。
丸ノコの使用はどんな作業でもケガをする可能性があるので、使用する際は常に集中して作業しましょう。
それでは擦り合わせ方法について紹介していきます。
丸ノコの前部分を人差し指と親指でつまむようにして持ち、人差し指を指定規として使い、墨に合わせて巾木をカットしていきます。
カットする際は、丸ノコを僅かに傾けて切断面が斜めになるようにカットします。
こうすることで接地面を少なくして巾木と床の付きを良くする事ができます。
丸ノコでの擦り合わせ方法は危険な面もありますが、丸ノコを使い慣れている方にとっては、とても作業効率の良い方法になりますので丸ノコを使い慣れている方は自己責任ではありますが、一度チャレンジしてみてください。
●鉋で擦り合わせをする場合。
DIY初心者の方や丸ノコを使い慣れていない方は、こちらの方法がオススメです。
こちらのやり方は、鉋で墨に合うように削っていきます。
鉋で削り合わせる場合も、やや斜めに削り仕上がり部分が付きやすいように削るようにしましょう。
こちらのやり方の場合は、電動工具を使用しなくて済むので安全性は高いので、初心者の方や丸ノコを使い慣れていない方は無理をせず、こちらの方法で作業しましょう。
〇巾木の後ろ側の水平を合わせる。
擦り合わせ作業が終わったら巾木を取り付け位置に置き、巾木の後ろ側の水平を合わせます。
この時、水平器で水平を合わせる場合は仕上がり部分と水平になるようにパッキン材を挟んでください。
レーザー墨出し器で水平を合わせる場合は、仕上がり部分より1㎜下がるようにパッキン材を挟みましょう。
1㎜下げることによって、家具が壁に寄りかかるような状態になるので、天板上端の壁の間に隙間ができづらくする事ができます。
水平器の場合にこの方法を使わないのは、水平器では正確に1㎜下がっていることの確認が難しいので、水平器では水平になるように合わせる事をオススメします。
〇巾木を固定する。
●床が木材の場合。
床が木材の場合は巾木に直接下穴を空けてビス固定して大丈夫です。
固定手順は、
1.両端を固定する。
2.糸を張り通りを見る
3.2.で張った糸に合わせるように巾木を固定していく。
4.固定が終わったら糸を外して作業終了。
●床がコンクリートの場合。
床がコンクリートの場合はL字の金物を使用するか、端材等をL字に組み巾木固定用の材料を作りましょう。
固定手順
1.L字の材料・金物を用意する。
2.巾木にL字の材料・金物を取り付ける。(この時、巾木を床にしっかりと押さえながら取り付けをしましょう。)
3.両端をコンクリート釘で固定する。
4.糸を張り通りを見る。
5.糸に合わせるように巾木をコンクリート釘で固定していく。
6.糸を外して作業終了。
ここまでで巾木の取付けは終わりです。
■家具本体の取付け方法
〇下地位置を探す。
家具を取付けする際は、まず下地位置を確認しましょう。
家具で隠れる場所で下地探し等を使用して壁の下地を探しておき、マスキングテープ等で下地位置をマーキングしておくと、ビス固定時にスムーズに作業ができます。
〇家具本体を巾木の上に乗せる。
下地位置に確認を終えたら、巾木に家具本体を乗せます。
壁内に振り分けで配置したい場合は、家具を乗せた後に両側の壁と家具の間に同じ寸法分のパッキン材を挟んでおきましょう。
パッキン材を挟むことで、ビス固定時に家具がズレないようにすることができます。
〇家具を固定する。
家具を巾木の上に乗せ、固定位置が決まったら先ほど探しておいた下地のある場所にビスを打ち家具を固定します。
この時に壁の角に取り付けしたい場合は、壁の角側に家具を寄せたいので壁の角にある下地に固定しても良いのですが、振り分け等で家具と壁との間に隙間を作る場合は角にある下地にビスを打ってしまうと、ビスを斜めに打つようになってしまうので家具が角側に引っ張られてしまい、振り分けにした位置がズレてしまう事があるので、ビス固定をする時はビスを真っ直ぐ打つことのできる下地位置にビスを打ちましょう。
ビス固定まで終われば、埋木や天板を後付けなどをしない場合は、ビスキャップを付けて作業終了です。
●埋木作業。
家具本体の取り付けが終わった後に、家具と壁との隙間寸法を測り、丸ノコ等を使って埋木を挽き割ります。
この時、ピッタリ寸法で挽き割ってしまうと埋木がキツかったり、無理やり入れた際には壁紙を傷付けてしまう可能性があるので、実測寸法から0.5㎜ほど小さく挽き割りましょう。
挽き割った後、キツい場合は鉋などで微調整を行い、指で押してスッと無理なく入るように埋木を削りましょう。
ノリを付ける際は、薄いヘラ等にノリを付けて、家具の側板にノリを塗り付けましょう。
ノリを付けたら側板から面尻になるように埋木を付けて埋木作業終了です。
●天板の取り付け方。
天板を後付けにする場合は、天板の前後壁内寸法を測り、壁の矩手(直角)も確認します。
確認を終えたら、実測寸法通りに天板をカットして取り付け後に見えなくなる部分は面を取っておきます。
天板を家具本体の上に乗せビス固定したら天板取り付け作業終了です。
■使用工具。
◆インパクトドライバー
◆ドライバドリル
◆丸ノコ
◆鉋
◆玄翁
◆レーザー墨出し器
◆水平器
◆指金
◆水糸
■最後に。
今回は、家具を水平に取り付ける方法について紹介させていただきました。
DIY初心者の方には危険な加工法の紹介もあったので賛否があるとは思いますが、私が普段業務で作業したり後輩指導している限りでは、上記に書いてある注意事項を守っていただければ、ほぼケガはしないと思いますが、チャレンジする際は自己責任になりますので十分に注意して作業してください。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。